【FluentPet】愛犬と話そう!動物さんに言語ボタンを教える方法(単語の種類別編)

コミュニケーションボタン

こんにちは!

こちらのページでは言語ボタンを使って、動物さんたちに言葉を教える方法(単語の種類別編)をご紹介します。こちらは「動物さんたちに言葉を教える方法」シリーズの第三回目です。これまでの記事では言語ボタンを教えるために必要な基礎的な内容をお届けしました。今回は単語の種類別に、より具体的な教え方をお伝えしたいと思います。

第一回目・第二回目をまだご覧になっていない方はよろしければ下記からご覧ください。
第一回目
【FluentPet】愛犬と話そう!動物さんに言語ボタンを教える方法(ボタンを使う前に…編)
第二回目
【FluentPet】愛犬と話そう!動物さんに言語ボタンを教える方法(ボタンを使って編)

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参考

当ページは下記の情報を参考に、筆者の経験などを交えて作成しています。

FluentPet公式ホームページ(Talking Dog & Cat Buttons by FluentPet – Online Store)

・「世界ではじめて人と話した犬ステラ」(クリスティーナ・ハンガー著 早川書房)

注意事項

  • こちらに記載している方法は教え方の一例です。あくまでも参考としてご活用いただければと思います。
  • 5つの星で表した「伝わりやすさ」・「難易度」については、筆者の感覚で表現しています。その動物さんの興味や関心、環境などに左右されると思いますのであらかじめご了承ください。
  • モデリング・アプローチ」のまとめ方(考え方)については私個人の考えです。FluentPetやクリスティーナ・ハンガーさんといった言語ボタンの有識者からの情報ではありません。ご了承ください。
    ただ、具体的な教え方として記載されている方法は有識者の方々や先輩のボタンユーザーさんたちが実践している情報ですので、安心してご活用ください。
  • 「モデリング・アプローチ」については、2023年7月2日、FluentPet(CleverPet社)宛に有識者にご覧いただけるようお手伝いいただきたい旨のメールを送りました。回答内容によっては当記事を編集・削除する可能性があります。

様々なモデリング・アプローチ

モデリングとは心理学において、

何かしらの対象物を 見本 (モデル)に、そのものの 動作 や 行動 を見て同じような動作や行動をすることである。 

Wikipedia

だそうです。

言語ボタンは基本的に、人間が口頭・ボタンの両方で単語の音声を動物さんに聞かせ、人間が言語ボタン会話の先生(モデル)になる方法で教えていきます。言語ボタン学習において、これを「モデリング」と呼ぶようです。

私はFluentPetのホームページやクリスティーナ・ハンガーさんの著書、様々な言語ボタンユーザーさんの記録を参考にしながら約1年の間、愛犬・ロッティと言語ボタン会話を学んできました。
そんな日々の中で、ひとくちに「モデリング」と言っても、アプローチにいくつかの種類があると感じました。

(以下は私が勝手に名付けた名称・まとめ方ですので他のボタンユーザーさんと話すときには通じない可能性が非常に高いのでご注意ください。)

報酬モデリング 伝わりやすさ★★★★★

教えたい単語の音声を口頭・ボタンで聞かせ、直後に教えたい物事を与えるモデリング。形あるもの、目に見える行動を教える時に大変有効です。

指さしモデリング 伝わりやすさ★★★★☆

教えたい物事を指さしながら、その単語の音声を口頭・ボタンで聞かせるモデリング。形あるものを教える時に有効です。

反対語・類語モデリング 伝わりやすさ★★★☆☆

教えたい単語と反対語や類語になる単語を同時に使う(教える)ことで動物さんに単語の概念を理解させるモデリング。形あるもの、目に見える行動だけでなく、抽象的な概念について教える場合にも有効です。他のモデリング・アプローチと組み合わせて教えます。

実況モデリング 伝わりやすさ★★☆☆☆

動物さんの現状を実況することで単語の概念を理解させるモデリング。形あるもの、目に見える行動だけでなく、抽象的な概念について教える場合にも有効です。

文脈モデリング 伝わりやすさ★★☆☆☆

会話をしているときの表情や声音、雰囲気や状況といった前後の文脈を動物さんに読み取らせることで単語の意味を理解させるモデリング。抽象的な概念について教える場合に有効です。

ロッティ
ロッティ

う~ん。なんだかイメージがわかないなぁ。

ロッティの言う通りですね。
それでは、次に単語の種類別にモデリング・アプローチ毎の具体的な教え方を見てみましょう!

単語の種類別の教え方

物を表す単語(食べ物関連) 難易度★☆☆☆☆ 

単語の例:ごはん、コングなど

教え方の例:「ごはん」を教える場合

  • 報酬モデリング
    「ごはん」と口頭で発声し、「ごはん」のボタンを押します。それを何度か繰り返したあと、ごはんを与えます。
  • 指さしモデリング
    「ごはん」と口頭で発声し、「ごはん」のボタンを押しながら、ごはんを指さします。
    (ただ、動物さんにとっては食べ物を見せるだけで与えないのは中々つらい状況だと思われます。学習の初期段階は報酬モデリングと組み合わせての使用が良いでしょう。ある程度「ごはん」の意味を理解した状態であれば、あなたが動物さんのために買ってきたごはんを「これ、ごはんだよ」と指さしモデリングだけ行っても問題ないと思います。)
  • 反対語・類語モデリング(+報酬モデリング・+指さしモデリング)
    「ごはん」と同様に口にするものとして、「水」を同時に教えます。
    報酬モデリングと組み合わせる場合、ごはんをモデリングし、与えた後に「水」とモデリングし、水を与えます。
    指さしモデリングと組み合わせる場合はごはん・お水を入れたお皿をそれぞれ用意し、動物さんの前に置きます。ごはんを指さしながら「ごはん」とモデリングし、お水を指さしながら「水」とモデリングします。
  • 実況モデリング
    動物さんがごはんを食べている時に「〇〇(動物さんの名前)、ごはん・たべる」と口頭・ボタンの音声を聞かせて実況します。
    ※この時、動物さんの名前や「たべる」のボタンは特になくても大丈夫です。「ごはん」の部分だけボタンも使ってモデリングしましょう。
「ごはん」のモデリング中。これは報酬モデリングですね。

行動を表す単語 難易度★☆☆☆☆

単語の例:あそぶ、おさんぽなど

教え方の例:「あそぶ」 を教える場合

  • 報酬モデリング
    「あそぶ」と口頭で発声し、「あそぶ」のボタンを押します。それを何度か繰り返したあと、ひっぱりっこ等をして一緒に遊びます。
  • 実況モデリング
    動物さんとひっぱりっこなどをして遊びながら「〇〇(動物さんの名前)・△△(あなたの名前)・あそぶ」と口頭・ボタンの音声を聞かせて実況します。
こちらも報酬モデリング。この方法くらいしか知識がありませんでした(汗)

終了を表す単語 難易度★★☆☆☆

単語の例:おしまい、おわりなど

教え方の例:「おしまい」を教える場合

  • 報酬モデリング
    遊びなど、行動を切り上げる時に「おしまい」と口頭・ボタンの音声を聞かせて切り上げます。

    ※終了の単語の性質上「報酬モデリング」と言う名称に違和感がありますが、報酬モデリングの「教えたい単語の音声を口頭・ボタンで聞かせ、直後に教えたい物事を与えるモデリング」という定義が当てはまる(行動の中止を与えている)と考え、このように記載しました。
  • 終了を表す単語は動物さんから何かを要求された時にお断りする場合にも使えます。
    例.動物さん「ごはん(要求)」→あなた「おしまい。今日はおしまいね。」
  • 遊びを切り上げる時や要求をお断りする時などに使われやすい単語ですが、動物さんの苦手な行動(爪切りやブラッシングなど)を終える時などに使えばポジティブな言葉に、おさんぽの後に雑談のように使えばフラットな印象の言葉になります。単語に対してネガティブな印象を持たれないように色んな使い方をしてあげてください。
ロッティ
ロッティ

「おしまい」はボクたちにとって悲しくなるだけの言葉じゃないって知ってるよ!
ボクたちからも「おしまい」にしてほしいって言えるのは嬉しいな♪

特定の人や物を表す単語 難易度★★☆☆☆

単語の例:家族の名前、トレーナーさんの名前、動物さんの名前

教え方の例:あなたの名前(または家族間でのあなたの呼び名)を教える場合

  • 報酬モデリング
    あなたが帰宅した時に「△△(あなたの名前)、帰ったよ~」と口頭・ボタンの音声を聞かせながら近寄り、動物さんに匂いを嗅がせてあげたり、触れさせてあげます。
  • 指さしモデリング
    あなた自身を指さして、あなたの名前を口頭・ボタンの音声で聞かせます。
  • 反対語・類語モデリング(+指さしモデリング)
    あなたの名前と同時に学習者である動物さんの名前を教えます。
    指さしモデリングと組み合わせて教えるとわかりやすいかもしれません。あなたの名前をモデリングしながら、あなた自身を指さし、次に動物さんの名前をモデリングしながら動物さんを指さします。
  • 実況モデリング
    あなたがごはんを食べている時や、仕事をしている時などに「△△(あなたの名前)、ごはん」「△△(あなたの名前)、仕事」など、あなたの状況をモデリングします。
名前を呼んでもらえると、とっても嬉しいです♡

承認と拒否を表す単語 難易度★★☆☆☆

単語の例:OK、NOなど

教え方の例:「OK」を教える場合

  • 文脈モデリング
    動物さんが何かを要求してきたとき、「OK」と口頭・ボタンの音声を聞かせたあと要求に応じます。
  • 反対語・類語モデリング(+文脈モデリング)
    「OK」と「NO」を一緒に教えます。
    文脈モデリングと組み合わせて、動物さんの要求に応じる時は「OK」、応じない時は「NO」とモデリングして教えます。同じシチュエーションで別の言葉・別の対応を繰り返されることで意味を理解していきます。

疑問を表す単語 難易度★★★☆☆

単語の例:何、どこ、いつ、?など

教え方の例:「何」「?」を教える場合

  • 文脈モデリング
    動物さんがカーミングシグナル(ボディーランゲージ)で何かを要求している時「何、?」と口頭、ボタンの音声を聞かせて、動物さんの返事を待ちます。ボタンやカーミングシグナルで返事をくれたら応えてあげます。

なかなか返事がない時は、「ごはん、?」や「おさんぽ・?」などと答えと思われるものを質問してあげましょう。

時制を表す単語 難易度★★★★☆

単語の例:あとで、いま、明日など

教え方の例:「いま」を教える場合

  • 反対語・類語モデリング(+文脈モデリング)
    「いま」と一緒に「あとで」を教えます。
    動物さんが遊びを要求してきた時、「あそぶ、あとで。いま、コング。」と口頭・ボタンでモデリングし、コングを与えます。
  • 実況モデリング
    おさんぽに行く直前や遊ぶ直前に「いま、おさんぽ」「いま、あそぶ」などと口頭・ボタンでモデリングしてから行動に移ります。

助けを求める単語 難易度★★★★☆

単語の例:いたい、助けてなど

教え方の例:「いたい」を教える場合

  • 文脈モデリング
    動物さんがあなたに甘噛みしてきた時やあなたがタンスに小指をぶつけた時、「痛い!」と口頭・ボタンでモデリングします。顔は苦痛に満ちた表情で痛む箇所を手で押さえ、身悶えてください。あなたの演技力の見せ所です。

  ※実際に痛くなくていいです。本気でタンスにぶつけに行く必要はありません。

こちらは本当に足をぶつけてます。本気で痛かった…

教え方の例: 「助けて」を教える場合

  • 報酬モデリング
    動物さんが遊んでいたおもちゃが家具の下に入り込んでしまった時や動物さんがドアを開けてほしそうに前足でカリカリとひっかいている時、「たすけて」と口頭・ボタンでモデリングし、助けてあげます。

気持ちを表す単語 難易度★★★★★

単語の例:ほしい、おいしい、楽しい、大好きなど

教え方の例:「おいしい」の場合

  • 実況モデリング
    動物さんが大好きな食べ物を食べている時、「おいしい」と口頭・ボタンでモデリングします。

教え方の例:「大好き」の場合

  • 文脈モデリング
    動物さんがリラックスしている時、ゆったりと撫でながら「〇〇(動物さんの名前)、大好き」と口頭・ボタンでモデリングします。
    ※愛情を込めて伝えてあげましょう。あなたの表情や声音・雰囲気などから意味を学んでいきます。

あなたが教え方を知りたかった単語はこの中にありましたか?
もしここになくても、5つのモデリング・アプローチに当てはめるとどんな教え方が出来るかな?と考えていただければ、教え方のアイデアが浮かんでくるのではないでしょうか。

単語によって、それぞれのモデリング・アプローチに向き不向きがあると思います。
例えば「大好き」などの目に見えない概念に指さしモデリングは不向きです。
そういった場合は他のモデリング・アプローチを検討しましょう。
単語ごとに1つのモデリング・アプローチしか対応できないわけではなく、単語の種類によっては多くのモデリング・アプローチが使える場合があります。そういった場合は出来るだけ複数のモデリング・アプローチを使って教えてあげることで単語の理解がより深まりやすいと考えられます

まとめ

いかがでしたか?
拙い解説ですが、みなさんのボタン学習の参考になれば嬉しいです。

正直、今回の内容は私独自のまとめ方をしており、このまとめ方ではまだまだ完璧ではないと感じています。不完全な情報を公開し、申し訳ありません。
ただ、公式の情報では今のところ「ボタンの教え方」としてコンパクトに「モデリング・アプローチ」の部分の情報がまとめられていないようなので、単語によっては教え方が不明瞭と感じられている方がいらっしゃるのではないかと考えていました。「ボタンをこれから始めたい!」と考えている方の中には、それが原因であと一歩が踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。それはあまりに残念です。
既にボタン学習を始めている方の中にも「あれ?この単語は教えられたけど、この単語はどうすればいいの?」と壁にぶつかっている方もいらっしゃるかもしれません。実は私自身もそうでした。ずっと悶々と考えていて、その問題を解決する目的もあり、この記事を書き始めました。

まだまだ、たたき台レベルの雑多な情報ではありますが、書き進めるうちに光が差したような感覚があり、「こんな情報でも、もしかしたら誰かの役に立つかもしれない!」と思い、公開することにしました。

今回の内容はFluentPet(CleverPet社)にもお送りし、可能であれば有識者の方にお目通しいただけるようお伝えしています。(私の英語が伝わらない可能性はあります…)その返答をいただけた場合や他のボタンユーザーさんからご意見をいただけた場合、状況に応じて情報をアップデートしていきたいと考えています。(有識者に怒られちゃったら削除するかもしれませんが😅)

この記事が誰かのボタン学習のお役に立ちますように。
最後までお読みいただきありがとうございました!

ロッティはFluentPetの公式ガイドです
2022年8月に言語ボタンを開始!
最初の3か月は全くボタンを押さず、順調とは言えないスタートでしたが、失敗談も含めてリアルな情報をお届けします。


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コメント

  1. hrk より:

    モデリングが深掘りされていてとても参考になりました!
    それにしてもロッティちゃんは素直で可愛い性格ですね〜♡
    ボタンもどんどん使いこなせるようになってますね
    また更新を楽しみにしています

    • mana より:

      返信が遅くなってしまい大変失礼しました!!
      こちらの記事を書いて以来、しばらく燃え尽きてしまっておりました(汗)
      嬉しいコメントをくださり本当にありがとうございます!!
      コメントするのにも色々入力しなければいけないのに、それも乗り越えてお伝えくださるなんて・・・!!
      ロッティのことも褒めてくださりありがとうございます♡ ロッティに伝えておきますね!
      今はちょっとスランプ中ですが、ブログは続けていきたいと思っていますので、また宜しければ遊びに来てください♪

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