【FluentPet】愛犬と話そう!動物さんに言語ボタンを教える方法(ボタンを使って編)

コミュニケーションボタン

こんにちは!
こちらのページでは言語ボタンを使って、動物さんたちに言葉を教える方法(ボタンを使って編)をご紹介します。こちらは「動物さんたちに言葉を教える方法」シリーズの第二回目です。第一回目の「ボタンを使う前に…編」をまだご覧になっていない方はぜひ先に第一回目をご覧ください。
【FluentPet】愛犬と話そう!動物さんに言語ボタンを教える方法(ボタンを使う前に…編)

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参考

当ページは下記の情報を参考に、筆者の経験などを交えて作成しています。

  • FluentPet公式ホームページ(Talking Dog & Cat Buttons by FluentPet – Online Store)
  • 「世界ではじめて人と話した犬ステラ」(クリスティーナ・ハンガー著 早川書房)

<ステップ1>単語を選ぼう

「ボタンを使う前に…編」のステップ3「単語をリストアップしよう」であらかじめリストアップしておいた単語の中から1~3個の単語を選んで始めましょう。
最初に導入する単語は次のポイントに注意して選ぶとよいです。

  • 動物さんが既に知っている単語
    これまでの暮らしの中で動物さんが既に理解していると思われる単語はありますよね!その単語を言えば他の部屋にいても走ってやってきたり、喜んでソワソワしたり…動物さんがまっさきに学ぶのは既に知っている単語です。
  • 動物さんがあなたに伝えたがっていると思われる単語(「あそぶ」、「おさんぽ」など)
    まずは動物さんにボタンに対して良い印象を持ってもらうことが重要です。「ボタンを押すといいことがある!」と思ってもらうためにも、日頃から動物さんが伝えたがっていると思われる単語を導入するのがよいでしょう。
  • 反対語または似たカテゴリーの概念を持つ単語(「ごはん/お水」など)
    反対語や似たカテゴリーの概念を持つ単語を一緒に導入することで、より理解が深まる可能性があると言われています。そういった概念のある単語を導入したい場合は同時に導入するのもよいでしょう。

どうして1~3語なの?

ボタンを1つだけ導入する場合、一つの単語にじっくりと向き合えるメリットが考えられます。
一方、複数のボタンを同時に導入する場合、それぞれのボタンに異なる概念があると認識してもらえるほか、動物さん側の選択肢が増えることによるモチベーションの向上などのメリットがあります。
複数のボタンの導入はより魅力的なメリットがありますが、4つ以上のボタンを一度に導入するのはあまりお勧めできません。ボタンが多すぎて意味が覚えられず、やる気をそがれたり、混乱を引き起こす可能性があります。(その子の能力や性格にもよりますので、一概には言えませんが…。)

ちなみに筆者はこの点の失敗経験者です。最初に5つものボタンを導入し、3か月間も学習が停滞しました…。自発的には全くボタンを押さなかったのです。ロッティの頑張りのお蔭でその後なんとか乗り越えることが出来ましたが、ボタンに対して悪い印象がつき、ボタンを押さなくなってしまう可能性もありました。変に冒険するより、公式ガイドの教えに倣って3個までから始めることをオススメします。

全くボタンを押さないロッティ

食べ物関連の単語の導入は注意が必要

【既に理解している単語】や【伝えたがっている単語】と言われると「おやつ」など、食べ物に関する単語の導入を考える方も多いのではないでしょうか?ですが、ここで注意が必要です!食いしん坊な動物さんにとっては食べ物の魅力はあまりにインパクトが大きく、最初にこういった単語を導入してしまうと「ボタン=食べ物がもらえる」と理解してしまう可能性があり、ボタンをコミュニケーションツールとして認識しづらくなる可能性があります。特に「おやつ」はフード以上に嗜好性が高いので注意が必要です。食いしん坊な子にはこういった単語の導入は慎重に行いましょう。

ロッティ
ロッティ

ボクは食いしん坊だから「おやつ」ボタンは置いてもらえないんだ。
押せばおやつが出てくる夢のボタンがあったらなぁ…!!

単語を録音しよう!~FluentPet(Classic Buttonシリーズ)の録音方法~

私が使用している言語ボタンFluentPet(CleverPet社)は説明書が英語表記のため、ちょこちょこ録音方法を質問していただくことがあります。なので、ここで私の使用しているClassic Buttonシリーズの録音方法をご説明しておきますね♪
※FluentPetの別シリーズのボタン(Speak Up Button・Connect Button)は持っていないので解説できません。ご了承ください。

  1. ボタン裏面に刺さっているプラスチックの栓?を抜きます。
  2. ボタンの側面にある黒いスイッチをスライドして切り替えます。
  3. ボタンを長押しし、「ピッ」と音が鳴ったら、ボタンを押したまま、ボタンの裏側に向けて録音したい単語を吹き込みます。
  4. ボタンを離すと「ピピッ」と電子音が鳴り、録音モードが停止します。
  5. 側面にある黒いスイッチを切り替えると録音完了です。ボタンを押して、聞こえ方などをチェックしてみましょう!

※ボタンは電池の残量があれば何度でも録りなおしが可能です。

<ステップ2>計画通りにボタンを配置しよう

単語を選んで録音したら、次はボタンを配置していきます。
こちらも「ボタンを使う前に…編」のステップ4「ボタンの配置を考えよう」であらかじめ考えておいた配置を参考にしましょう。

筆者がハンガーさんの書籍を読んで一からやり直した時の最初の配置。
はじめはボタンをひとまとめにせず、単語の概念と近い対象物の横に置いたり、私が一番素早く対応できる場所に置きました。

<ステップ3>さあ!動物さんにボタンを教えましょう!

ようやく実際に動物さんにボタンを教えるところまでやってきました!長かったですね(汗)
でも、ボタンの教え方は準備段階と継続・観察が非常に大事なんです!
正直、このステップ3の内容以上に重要です!!!
もし、「実はここまでは読み飛ばして来ちゃった☆」なんて方はこれまでの内容をしっかり読んでから戻ってきてください!(本当にお願いします!)ガイドを一通り読んで実行した私が思いっきり失敗したんですから!!!(いや、私がアホだっただけかもしれないけど…)

前置きが長くなっちゃいましたね。では、本題に戻りましょう。

動物さんに直接ボタンを教える際は【モデリング】という手法を使います。

モデリング

教えたい単語を口頭で言い、ボタンを押します。これを何度か繰り返し、録音した単語通りの行動に移ります。例えば「ごはん」を教えたい時は、「ごはん」と口頭で言い、「ごはん」のボタンを押します。口頭で発声する・ボタンの音声を鳴らす、これを何度か繰り返し、実際にごはんを与えます。これがモデリングです。
※最初のうちは最低でも5回は繰り返すのが良いと言われています。

とっても簡単ですよね?ただ、モデリングにも重要なポイントがいくつかあります。

モデリングで重要なこと

  • 話す速度を落とすこと
  • はっきりと聞き取りやすいように発音すること
  • 単語のあいだに間をとること
  • 覚えようとしている言葉を、その言葉が使われるのに適切な状況で繰り返すこと

これらのポイントは言語療法の「補助付き言語インプット」と「焦点化言語刺激」という技法を用いているそうです。
初めのうちは動物さんにボタンを押させようとしなくて大丈夫です。
なんなら、動物さんがボタンをしっかり見ていてくれなくても大丈夫です。
クリスティーナ・ハンガーさん(世界で初めてわんことボタンで会話した方)の時も、ハンガーさんの愛犬・ステラちゃんはボタンを意識的に見ていなかったそうです。また、ハンガーさんは上記のポイントに注意しながら自身がモデリングをするだけで、ステラちゃんにボタンを押させようとはしませんでした。あまりにステラちゃんに伝わっている様子が見られなかったため、ハンガーさんの夫・ジェイクさんは驚き、心配しました。それに対してハンガーさんはこう答えます。

「大丈夫。子供もデバイスに気づいたり、わたしの行動を見るまでに時間がかかるの。ステラだってきっとすぐにはできない。少なくともわたしが言っている言葉は聞いているし、聞こえたものとそのあと起こったことをつなげて連想はしてる」

「世界ではじめて人と話した犬ステラ」クリスティーナ・ハンガー著(早川書房)

※ここでの「子供」とは、言語聴覚士であるハンガーさんの受け持ち患者さんのことを指しています。 

しばらくの間、動物さんが自主的にボタンを押すことはないかもしれません。それでも地道にモデリングを続けましょう。また、ボタンに興味すら示さない場合は、ボタンを見たり、ボタンのにおいを嗅いだりしただけでも褒めてあげましょう。そうすることでボタンに興味を持ち始め、飼い主さんのモデリングを見続けることでボタンの使い方を学んでいきます。

また、下記のポイントにも配慮できると、より学習がスムーズになります。

  • 動物さんが集中できる環境を整える
    人が勉強する時と同じように、動物さんも集中できる環境が整っているほど学習がはかどります。モデリングするとき、テレビや音楽が大音量で流れていませんか?魅力的なおもちゃがそばに散らばっていませんか?特に学習の初期段階はできるだけ集中できる環境を用意してあげてください。
  • 同じ単語を色々な状況で使う
    単語には色々な使い方ができますね。例えば「お外」だとしても「お外に出たい」だったり「お外に何かいるよ」や「お外楽しかったね!」だったり…。外に出る前だけにボタンを押すのではなく、外から帰ってきた時や外を見てほしい時など、同じボタンでも異なる状況でモデリングしてみましょう!
  • 色んな人にボタンを使ってもらう
    より多くの人にボタンを使ってコミュニケーションしてもらえるほど、より学習を深めることができます。アナタだけでなく、家族や友人、お客様などにもぜひボタンを使って動物さんに話しかけてもらいましょう。

2~4週間はかかると思って!

モデリングで動物さんにボタンの押し方を教えたからと言って、すぐに動物さんがボタンを自主的に、適切なタイミングで押すとは限りません。むしろ、時間がかかる方が普通でしょう。

飼い主の指示通りにボタンを押す芸を教えたいのではなく、コミュニケーションツールとしてボタンを押してほしいのであれば、何の変化もなくとも2~4週間はひたすらモデリングを続けましょう。

ここでまた、ハンガーさんのお話をします。
ハンガーさんは自身の言語聴覚士としての経験を活かして忍耐強くモデリングをしていました。
最初の2週間、ステラちゃんはモデリングをするハンガーさんの姿を見るどころか、ボタンの存在にも気づいていないような様子だったそうです。(これは動物だけでなく、言語障害のある子供たちにもよくあることだそうです。)3週目にようやく変化があり(ボタンとハンガーさんを交互に見つめた)、4週目にようやくボタンに触り、押すことができるようになったそうです。

FluentPetの公式ガイドにも、この工程には数週間かかることがあると記載されています。
変化が見られなくても大丈夫!焦らず地道にモデリングを続けましょう。

ロッティ
ロッティ

この時期はインプットの期間だよ!ボクたち、一生懸命覚えているから焦らず待っててほしいな。

<ステップ4>小さな変化を見逃さないで!

しばらくモデリングを続けていると、最初はモデリングしている姿もボタンですらも見てくれなかった動物さんも少しずつ変化が出てくると思います。その変化を見逃さず、しっかり褒めて、注目して、動物さんのやる気スイッチを押してあげましょう!

小さな変化ってどんなもの?

「小さな変化」はたくさん考えられますが、わかりやすい例として下記のような行動があります。

  • ボタンを見る
  • ボタンのそばにいる
  • モデリングする姿を見る
  • ボタンのにおいを嗅ぐ
  • ボタンに触ろうとする

今までボタンに全く興味を持っていなかった場合は「たったこれだけ?!」と思われるような行動でも、ボタンに関係する行動をしたら大げさなくらい褒めて、喜んであげましょう!

ロッティ
ロッティ

ボタンを見たり、そばに居るだけで褒めてくれたり、喜んでくれるとボタンが好きになるよ♪

褒める時におやつは使わないで!

褒める時は「えらいね!」「すごいね!」など言葉で褒めたり、撫でてあげるなどにしてください。
決してご褒美のおやつはあげないようにしてください!ボタン=おやつと認識してしまう可能性があります。

<ステップ5>自然な形での合図(催促)を出そう

小さな変化が見られたら、動物さんにボタンを押すように合図(催促)を送ってあげましょう。
このステップでも重要なポイントがあります。

合図(催促)は最小から最大へと段階的に!

動物さんの心からのコミュニケーションを引き出すには、合図(催促)は最小から最大へと段階的に出していくのが重要なポイントです。

レベル1:10秒以上ただ待つ
動物さんが何か伝えたそうに見つめてきた時やこちらから動物さんに質問をしている時、すぐに回答を催促するのではなく、ただじっと待ってあげましょう。

レベル2:ボタンのそばに行く
しばらく待ってみても動物さんが行動しない時はアナタがボタンのそばに行ってボタンへ意識が向くようにし、再度10秒以上待ってあげましょう。

レベル3:ボタンを指さす・ボタンをタップする
アナタがボタンのそばに居ても動物さんが行動しない時はボタンを指さしたり、タップしたりして、また10秒以上待ってみましょう。

それでもダメなら、まだ時間が必要なのかもしれません。
アナタがボタンを押してモデリングし、単語の示す行動に移しましょう。

また、この順序を逆から行うことは危険です。(レベル1の「待つこと」をせず、すぐにレベル3の「ボタンを指さす」などを行うこと)学習の初期段階から手を出し過ぎると、こちら側の指示に依存してしまい、独立したコミュニケーションが取れなくなる危険性があります。

考える時間はとっても大切!
  • 無理やりボタンを押させないで!
    絶対に動物さんの前足を掴んでボタンを押させるなど、無理やりにボタンを押させることはしないでください!そういった教え方をすると、動物さんはボタンを自身の伝えたいことを伝える道具としてではなく、人の指示や期待に応えるために押すものと認識する恐れがあります。
  • 合図(催促)のし過ぎにはご用心!
    合図(催促)はあくまで補助として行いましょう。あまり熱心になりすぎると、動物さんがうんざりするかもしれません。ボタンを嫌いになっては大変です!あくびをする・身体を掻くなどのカーミングシグナルが見られたら、合図(催促)はやめてモデリングだけに留めましょう。

導入期は一番成果が見えづらく、地味で単調に感じます。
しかし、言語ボタンの学習を英会話のレッスンに置き換えて想像してみてください。
まだ勉強し始めて1か月目の時にネイティブの先生に流暢な英語で何かを質問されたらアナタはどんな風になりますか?一生懸命聞き取り、意味を考え、自分の考えをまとめ、回答に該当する単語を頭の引き出しから引っ張り出し、声に出すまでかなりの時間と労力が必要でしょう。
動物さんだって一緒です。まだ考えている最中に「ねぇ、なに?」「これでしょ?」「ボタンを押して!」など矢継ぎ早に言われたら、焦ったり、混乱したりして当然です。でたらめにボタンを押したり、ボタンから離れたり、すっかりボタンが嫌になってしまうかもしれません。考える時間をしっかりとって、気長にじっくり付き合ってあげましょう。

まとめ

いかがでしたか?
実際に動物さんに言葉を教えるフェーズまで行くまでも随分時間がかかりましたね。
読者さんの方がすっかり嫌になっていないか、私は心配です(汗)
でも、言語ボタンはわりと高いし、FluentPetに至っては購入にも労力がかかりますから「簡単にできますよ☆」とは言えなかったんです。その分、赤裸々な情報を公開できていると思うので、愛する動物さんとお話したいと考えている方のお役に立てていたら嬉しいです!!

当サイトでは、今後も言語ボタンについての情報や愛犬と行くキャンプ場情報などをご紹介していきます!ご興味のある方はぜひ今後もご覧くださいませ!
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ボタンの教え方シリーズの次の記事はこちら
【FluentPet】愛犬と話そう!動物さんに言語ボタンを教える方法(単語の種類別編)

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