【FluentPet】愛犬と話そう!ロッティのコミュニケーションボタン訓練日記~5か月目~

コミュニケーションボタン

こんにちは!こちらのページでは愛犬・ロッティのFluentPet(コミュニケーションボタン)の5か月目の訓練日記を公開させていただきます!
これからコミュニケーションボタンを始めたいと考えている方、今現在訓練中の方、ちょっと興味があるといった方に参考にしていただけると嬉しいです♪

はじめに

こちらの記事を作成している時点では、ロッティがボタンを完全にマスターしているとは言えない状態です。しかし、私自身がFluentPetを導入する前、既に使える状態の子のお手本もすごく参考になるけれど、まだ使えない状態の子がどうやってステップアップしていったかの成長記録をもっと見られたらなぁ!と強く思っていました。

その気持ちから、まだまだ勉強中の身ではありますが、リアルな訓練日記をブログといった形で公開したいと思います。

参考書籍

当記事は世界で初めてボタンを通じて犬と会話をした言語聴覚士、クリスティーナ・ハンガーさんの著書「世界ではじめて人と話した犬ステラ」(早川書房)を参考にしています。

言語聴覚士としての知識や経験を基に、愛犬・ステラちゃんにどのように言葉を教えたかがわかりやすく書かれています。一般的なHow-to本ではなく、ステラちゃんとの出会いや自身の仕事での気づきなども織り込まれたエッセイとなっており、読み進めるうちに自然と根本的な考え方が身につく良著です。

前月までのダイジェスト

1か月目から3か月目までは最初から5つものボタンを同時に導入するという無茶な進め方をしたせいか、ロッティが自発的にボタンを押すことは一度もなく、地道にモデリングを続ける日々を過ごしました。
3か月目の最終日にクリスティーナ・ハンガーさんの本を読み始めたことから自身の進め方に問題があることに気づき、ボタンを2個まで減らして一からやり直すことに。これが大きな転機となり、当日からすぐに自発的にボタンを押すようになりました。
4か月目の最終日には全部で9個のボタンを設置(うち、5個の意味を理解していると思われる)。1か月で見違えるほど理解が進んだことから、今後も更にボタンを追加することを見据えて大幅な模様替えをしました。
果たしてロッティは模様替えを乗り越えておしゃべりわんこになれるのでしょうか?!

4か月と3日目

新しい配置に慣れてきた様子

2022年12月4日
この日はボタンをたくさん押してくれました。
11月30日に大幅な模様替えをして以来、ボタンを押す回数がめっきり減っていましたが、数日経って慣れてきた様子です。

一日で「コング」「くんくん」「あそぼ」「おさんぽ」「ロッティ」「だいちゃん(夫)」「まな(私)」を押しました。「コング」と「くんくん」以外は「これを押そう」と意識していたわけではなさそうなので、どのボタンが何なのかを確かめていたのかもしれません。

4か月と8日目

「おいで」ボタンで呼んでくれた

2022年12月9日
加湿器の水を補充していたら「おいで」ボタンを押してくれました。
意味を分かったうえで意図して押したかどうかはわかりませんが、これを機に覚えてほしくて、すぐに走って駆け付けました。

この動画だけ、Twitterに投稿し忘れてデータを削除してしまったので、Instagramの投稿を貼りました。見にくくてすみません(汗)

4か月と11日目

2022年12月12日

「ほしい」ボタンの追加

今後、どういった意味合いでボタンを押したのかをより正確に伝えられるようにするため、「ほしい」を追加しました。ロッティは「コング」や「くんくん」をよく押すのですが、要求で押しているのか、それとも「コング楽しいね」や「くんくん大好き」など、感想を言いたいのかがわからないため、まずは一番可能性が高い【要求】を表す「ほしい」を選びました。

当時の設置ボタン

1.あそぼ  2.ごはん  3.コング 4.くんくん 5.おさんぽ 6.おいで
7.ロッティ  8.だいちゃん(夫) 9.まな(私) 10.ほしい

モデリング※を習慣にする

4日からこの日まであまり進展が見られなかったことに気づき、思い返してみると、ロッティがボタンを自発的に押せるようになったからと私自身がモデリングする頻度が減っていたことに気づきました
この日までは「モデリングは教えるためにするもの」といったイメージが頭の片隅にありましたが、おしゃべり上手な動物さんたちのおうちでは会話の一部として当たり前のようにモデリングを使っています。ここにこそ、おしゃべり上手のヒントがあるのでは?!と思い、ロッティと会話する時は出来る限りボタンを使ってモデリングする習慣をつけよう!とこの日、強く心に決めました。

※モデリング
ボタンを教えるための手法。例えば、「ごはん」を教えたい時は「ごはん」と口頭で言い、「ごはん」のボタンを押します。口頭で発声する・ボタンの音声を鳴らす、を何度か繰り返し、実際にごはんを与えることで単語とその単語が表すものを結びつけます。
より詳しい情報は1か月目の訓練記録のモデリングを続ける日々をご覧ください。

4か月と13日目

2022年12月14日

喃語かな?

この日もたくさんボタンを押してくれました!

私が帰宅して早々、「まな(私の名前)」を押してくれ、その後も「くんくん」「コング」「ほしい」「ごはん」「痛い」を押しました。「くんくん」と「コング」以外は意図して押している様子ではなかったので、いろんなボタンを押しておしゃべりの練習をする喃語の段階に入っていたのかもしれません。

当時の設置ボタン

1.あそぼ  2.ごはん  3.コング 4.くんくん 5.おさんぽ 6.おいで
7.ロッティ  8.だいちゃん(夫) 9.まな(私) 10.ほしい 11.痛い

ロッティ
ロッティ

「痛い」をいつ増やしたのか正確な日をメモし忘れちゃったみたい。

だけど、この日押した記録が残っていました。

初めての会話?

理解して押したのかはまだわかりませんが、初めて会話が成立しました!
晩御飯の後、みんなでまったりしていると、ロッティが「ほしい」と押したので、「何ほしい?」と聞いてみると「ごはん」と押しました。「ほしい」を理解できているとはまだ確信が持てていなかったのですが、「ほしい」を押す前に匂いを嗅いで場所を確かめたことや「ごはん」のボタンは少し移動しないといけない場所だったことから、たまたまだったとも言い切れません。
なんにせよ、ひとつ前に進んだことには間違いありません!とても嬉しい出来事でした。

4か月と15日目

2022年12月16日

また会話が成立!

「ロッティ、くんくんする?」と尋ねてみたら、「ほしい」とお返事してくれました!

動物さんに考える時間をしっかり取ってあげよう!
こちらの動画ではロッティが動きを止めて考えている様子がご覧いただけます。
この時間は私自身、とても意識して取っています。
クリスティーナ・ハンガーさんの書籍によると、AAC(補助代替コミュニケーション)療法では(ボタンを押すように促す目的で)ごく自然な合図から、ほぼ答えと言える合図まで段階的に合図を出して進めていくそうです。この「ごく自然な合図」にあたるのが「十秒以上ただ待つ」という対応で、コミュニケーションボタンを教えるための基礎であり、重要なポイントのひとつと言えます。

4か月と16日目

2022年12月17日

「楽しい」ボタンの追加と配置変更

今後増やしたい単語を再度洗い出し、そのうえでボタンの配置を変更することにしました。
「ごはん」と「痛い」はそれぞれ1枚ずつのマットを使用していましたが、「ごはん」は「コング」や「くんくん」など食べ物に関連するボタンにまとめ、「痛い」は「ほしい」のように感情を表すマットへ。そして、この日「楽しい」ボタンを追加しました。
どんどんボタンが増える一方で、右端の黄色のマットにある「コング」「くんくん」ボタンばかり押し、他のボタンは殆ど押さないことから、4枚連結していたマットを3枚と1枚に分裂させて端っこを増やしてみました。

当時の設置ボタン

1.あそぼ  2.ごはん  3.コング 4.くんくん
5.おさんぽ 6.おいで 7.ロッティ  8.だいちゃん(夫) 
9.まな(私) 10.ほしい 11.痛い 12.たのしい

4か月と17日目

2022年12月18日

「だいちゃん」ボタンも理解した?!

夫は晩御飯を食べ終えてソファに寝転がり、私はまだ食事中だった時、ロッティが「だいちゃん(夫の名前)」のボタンを押したあと、夫の元へとまっすぐに歩いていきました!
迷いなく夫の元へと歩く姿から、「だいちゃん」も理解しているように思います。

また、この日は今まで押されることが殆どなかった「あそぼ」ボタンと「おさんぽ」ボタンを押してくれました!「あそぼ」はしばらく押していなかったし、「おさんぽ」は最初からあまり押さないしで、理解して押したのかは確信が持てません。

前日に配置換えをした「ごはん」ボタンも何度か押してくれ、最初は首を傾げてわかっていない様子でしたが、途中から「ごはん」のボタンを押した後、ごはん皿を見つめて舌なめずりをして、わかっている様子がみられました。

4か月と18日目

2022年12月19日

「おいで」の意味もやっぱりわかってるんだね

この日の朝、ごはんをあげようとロッティのそばにいくと、いつもはすぐに出てくるのにやってこなかったので「ロッティ」「おいでー」とボタンを押して呼んだら、「おいでー」を聞いてからロッティが動き出しました!ロッティが「おいでー」を押すことは最近少なくなっていたけれど、押す必要がないから使っていないだけで、やっぱり理解していたんだね。

「まな」と呼んでくれた♡

私がお掃除をしている時に「まな」とボタンを押して呼んでくれました!
意味を理解して押してくれたかはまだ確信が持てないけれど、やっぱり名前を呼んでもらえるのは嬉しい!!

4か月と19日目

2022年12月20日

「何」「?」ボタンを追加

ロッティからも質問できるようにしたくて、「何」と「?(ん?)」のボタンを追加しました。
ロッティが何か言いたそうに見つめてきたので、早速「何・?」と聞いてみたら、教えてくれました!

当時の設置ボタン

1.あそぼ  2.ごはん  3.コング 4.くんくん 5.おさんぽ 6.おいで
7.ロッティ  8.だいちゃん(夫) 9.まな(私) 10.ほしい 
11.痛い 12.たのしい 13.何 14.?(ん?)

かわいそうなことをしてしまいました…

この日、「何」と「?」を一度に導入し、さらにこれらのボタンを使うときは「何」・「ほしい」・「?」など複数のボタンを組み合わせて使ったことから、ロッティがパニックを起こしてしまいました…。さらに悪いことに、「何」も「?」も導入前の理解が浅い状況だったので、ロッティにかなりのストレスを与えてしまっていたようです。

ロッティは元々、あまり吠えるタイプではありません。要求も控えめで、ボタンも連打することは殆どなく、ソフトタッチで音が鳴らないこともあるような穏やかな子です。動画のように吠えることは滅多にないので、本当にいっぱいいっぱいになって強く訴えていたのだと思います。
11月10日にボタンの導入を一からやり直して約1か月。この間、12個もの単語を追加し、大規模な模様替えもしましたが、順調に覚えてくれて、特にストレスサインなども見られなかったので、ロッティがいっぱいいっぱいだったことに気づけていませんでした。
ロッティは一生懸命覚えてくれていたんだね。ゆっくりでよかったのに、気づかなくて本当に反省です…。

4か月と21日目

2022年12月22日

悶絶級の回答♡

掃除をしていたら、ロッティが「ほしい」とボタンを押しました。
「何ほしい?」と聞くと、「まな」と…!!!これは悶絶級の回答(号泣)!
完全に不意打ちだったので、これはやられました…!!!

たまらん・・・

「おさんぽ」も理解していると判明

おさんぽに行くために着替えていると、ロッティが「おさんぽ」とボタンを押しました!

実は「おさんぽ」ボタンはほとんど押さないロッティ。
おさんぽに行く前は必ず私がボタンを押してモデリングをしていましたが、理解しているのかはこの日までわかっていませんでした。
押す必要がないから押していないだけで、理解はしていたんだね。

4か月と27日目

2022年12月28日

二度目の大規模な模様替え

約一か月前に模様替えをしたにもかかわらず、当初の予定以上にボタンを増やしたいという想いが膨らみ、再度模様替えをすることに。ロッティのお部屋をなくして、リビングを広げ、リビングにボタンを常設することにしました。本当に何度も変更してごめんね、ロッティ…。
何度も模様替えをしていますが、毎度「これでボタンを押さなくなってしまわないか…」と不安な気持ちは変わりません。

4か月と28日目

2022年12月29日

「コング」「ほしい」を押すように

やはり大規模な模様替えの後はボタンを押す頻度が急激に下がります。
この日は一番右端に配置している「コング」と「ほしい」は押すようになりました。

4か月と29日目

2022年12月30日

お客さんが居てもボタンを押せるよ

この日は小学校からの友人が家に遊びに来てくれました。
お客さんが居てもボタンが押せるのか気になっていたのですが、長時間居たからか、興奮が収まると大好きな「コング」のボタンをたくさん押していました。
コングの他にも「だいちゃん(夫)」のボタンも22時以降に3回も押しました。
夫はソロキャンプに行っていたので、なぜ帰ってこないのかと気にしていたのかもしれません。

ボタンの理解状況

1.あそぼ   2.ごはん   3.コング
4.くんくん  5.おさんぽ  6.おいで
7.ロッティ  8.だいちゃん(夫)
9.まな(私) 10.ほしい   11.痛い
12.たのしい  13.何     14.?(ん?)

※模様替えでわからなくなった単語があると仮定し、以前理解していた単語もリセットしています。

まとめ

4か月目の訓練日記は以上です。

ハンガーさんの本を参考に一からやり直して以来、今までが嘘のように順調に成長してくれました。しかし、あまりの成長ぶりに調子に乗って、ロッティに辛い想いもさせてしまいました…。
おっとりさんで穏やかな子だから気づけなかったけれど、この成長はロッティが本当に一生懸命覚えてくれた結果だったんですね。普段はあまり感情的になることがない子なので本当に辛かったんだと思います。本当にごめんね。

そんな出来事の後でもボタンを嫌うことはなく、順調に成長を見せてくれた濃厚な1か月でした。
しかし、また凝りもせず模様替えをすることになります。
果たしてロッティはこの試練を乗り越えられるのでしょうか? 次回の訓練記録もぜひご覧ください!

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