こんにちは!
みなさんはボタンを使って人間とお話する動物さんたちをご存じですか?
最近では、YouTubeやInstagramでそんな動物さんたちのかわいい姿がたくさん見られるようになってきました!
愛犬や愛猫が今何を考えているのか、何が欲しいのか、本当の気持ちを知ることが出来たなら…。
考えるだけでワクワクしちゃいますね♪
こちらのページではコミュニケーションボタンを使って、動物さんたちに言葉を教える方法(ボタンを使う前に…編)をご紹介します。まだボタンがお手元にない方も事前にできるトレーニングがありますので、ぜひ最後まで読んでチャレンジしてみてください!
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愛犬と話そう!
※当サイト内の言語ボタンに関する全ての記事のリンクがまとめられています。
参考
当ページは以下の情報を参考に、筆者の経験などを交えて作成しています。
・書籍「世界ではじめて人と話した犬ステラ」(クリスティーナ・ハンガー著 早川書房)
<ステップ1>動物さんを観察しよう
日々の暮らしの中で、動物さんが私たちに何かを訴えていると思うタイミングはありませんか?
例えば、水がない時に水飲み皿を前足でつついたり、おもちゃを足元に持ってきて遊ぼうと誘ってきたり…。まずはそういった、彼らが既に使っているコミュニケーションに意識を向けることを習慣づけましょう。
ボタンで初めに導入する単語は彼らが日頃から伝えたいと表現している物や行動、強く興味を引く・興奮する単語にすると良いです。
こういったジェスチャーは非言語的コミュニケーションと言われ、言語の発達において重要な役割を担っていると言われています。人間の子供たちは話し始める前にその概念を表すジェスチャーを使いますが、ジェスチャーの種類の多さと、その後言語として獲得する語彙の間に相関関係があるともいわれています!
「そんなジェスチャーやっているかな…」と心配になった方も安心してください。
上に書いたようなわかりやすい行動だけでなく、「じっと目を見つめてくる」や「呼びかけに反応する」などもそういったジェスチャーのひとつです。
こうやって考えると、動物さんたちはたくさんのことを私たちに伝えようとしていますね!
動物さんたちのあらゆるコミュニケーションに気づき、反応することで、動物さんたちが言葉で意思疎通する可能性が高まります。
<ステップ2>たくさん話しかけよう
あなたは動物さんと過ごすとき、たくさん話しかけていますか?
動物さんに言葉を覚えてもらうには、たくさん言葉を聞いてもらう必要があります。
おさんぽに行く時、ごはんをあげる時、寝る前、リラックスしている時…。様々なタイミングで話しかけてください。
出来れば、あなただけでなく、ご家族やお友達など色んな人に話しかけてもらえるとより良いです!
彼らは言葉の音や組み合わせなどをたくさん聞いて、少しずつ言葉を習得していきます。
何を話しかけていいかわからない場合は「ごはん、たべる」「おもちゃ、あそぶ」など、今起きていることを実況するのもよいです。
また、話しかけ方には下記のようなポイントがあります。ポイントを意識して話しかけてみてください。
話しかけ方のポイント
動物さんが単語を聞き取りやすいように、下記のポイントに注意して話しかけましょう!
- 話す速度を落とすこと
- はっきりと聞き取りやすいように発音すること
- 単語のあいだに間をとること
- 覚えようとしている言葉を、その言葉が使われるのに適切な状況で繰り返すこと
※話しかける時は普通の会話のように語りかけても大丈夫ですが、長々と話すのではなく、簡潔に話しましょう。
※単語が意味するものや行動を話しかけた後、できるだけすぐに与えましょう。「おさんぽ」なら、話しかけた後すぐおさんぽに行くようにするなど。
<ステップ3>単語をリストアップしよう
あなたがよく動物さんに伝える単語や今後教えたいと思っている単語をリストアップしましょう。
おさんぽに行くときの「おさんぽ、行こうね!」や、リラックスしているときの「大好き」など、教えたい単語がたくさんありますね!
動物さんが既に理解しているであろう単語や、よくジェスチャーなどの非言語的コミュニケーションで伝えようとする単語、動物さんが話せることで幸せになる単語…。
様々な場面で役に立つ単語を考えてみましょう!
この後のステップ「ボタンの配置を考えよう」に進むためにも必須のステップです。
<ステップ4>ボタンの配置を考えよう
動物さんは基本的にボタンを配置で覚えると思われます。
そのため、配置はボタンでのコミュニケーションで重要なカギになると思われます。
できるだけコロコロと変えないよう、後々ボタンを増やしていく時にどこに新しいボタンを追加していくかも含めて事前に検討しておくことをオススメします。
とはいえ、まなさんはざっくりした性格なので大規模な模様替えを2回もしたよ。
覚えなおすのは大変だったけど、ぼく頑張ったんだ!!
「配置換えを絶対してはダメ」ということではないから安心してね!
配置についての考え方
配置については大きく2種類の考え方があります。
A 単語が示す対象の近くにボタンを配置する
例えば「おさんぽ」ボタンならドアの前、「ごはん」ボタンならごはん皿の前。といった具合に配置する方法です。行動とそれに対応するボタンが近い場所に置かれている分、覚えやすい可能性が高い点がメリットと考えられます。一方で場所をとる点や、今後2語・3語とボタンをつなげて使うことになるとボタン同士が離れていて不便になる点がデメリットと言えます。
B ボタンをひとところにまとめて配置する
こちらは比較的場所をとらない点や複数のボタンを使用する際にあちこち動き回らなくて良いという点がメリットですが、一方でAの方法と比べると単語とその意味の紐づけがわかりにくい可能性がある点がデメリットと思われます。
どちらもメリット・デメリットがあって悩ましいところですね。
これは私の個人的な意見ですが、基本的には言語ボタンを初めて導入するときは【A.単語が示す対象の近くにボタンを配置する】から始めて、様子を見ながら【B.ボタンをひとところにまとめて配置する】に切り替えていくと良いのではないでしょうか?実際、クリスティーナ・ハンガーさんもこの流れで進めています。
導入時はまず、ボタンの使い方や1つ1つの単語の意味を覚えてもらうことが1番のゴールです。最初のうちはボタンの数が少なく場所もとらないし、動物さんが理解して単語をつなげるということも少ないと思われます。また、近くに複数のボタンが密集して置かれていると、訳も分からないまま色んなボタンを押して、人間側が対応に困るといった問題が出やすいのですが、そういった混乱も避けられます。
上記を踏まえたうえで、次は家の中のどこに・どのように置くかという視点でのポイントを見ていきましょう。
家の中のどこに・どのように置くか
単に「ボタンを配置する」と言っても、どこでも良い訳ではありません。
下記のポイントを参考に、ご自身のおうちではどこが適切か検討してみてください。
- 動物さんやあなた、ご家族がアクセスしやすい場所
特に初期の段階は頻繁にモデリングしたり、動物さんがボタンを押したときにできるだけ早く対応してあげることが重要になります。そのため、家族みんながボタンを押したり、音声を聞き取れる場所に配置することが成長のカギになります。
余談ですが、どうしても場所がない!!といった方は壁に貼り付けるのも一つの案かもしれません。実際に壁に貼り付けてボタンを使っている動物さんもいますよ♪ - 家族がよく居る場所から見えやすい位置
これは筆者の感覚ですが、動物さんはボタンを押す前後に話し相手の方を見る傾向が高いと感じます。相手が聴いてくれる可能性が低いと、ボタンを押す意欲が高まらないですもんね。家族がよくいる場所からお互いの姿が見えやすい位置に配置することも気を付けてあげると良いでしょう。 - 単語のカテゴリーごとにマットを分ける
FluentPetの公式ガイドでは、【行動】【人・動物】【場所】など、単語のカテゴリーごとにマットを分けることを提案しています。カテゴリーごとにボタンをまとめることで人間側も配置を覚えやすいです。動物さんにとっても同じなのかもしれません。今後、どのようにグルーピングしていくかも念頭に置いて配置を考えておくことで、今後の配置換えの頻度を減らすことができます。
<ステップ5>ターゲットトレーニングをしよう
何の練習もしなくてもボタンを押せる子もいますが、ボタンを押すことに練習が必要な子もいます。
そういった子にはターゲットトレーニング(所定の的に触れるように教えるトレーニング)を行いましょう。ボタンがない状態で事前にトレーニングしておきたい!といった方は①~⑤までのステップにチャレンジしてみてください!
<ターゲットトレーニングの方法>
① 準備
おやつと的(ターゲット)にするものをいくつか準備します。
的は③のステップでは小さいプラスチックのタッパーの蓋や特に意味のない言葉を録音したボタンなどを準備します。ボタンがまだお手元にない方やボタンを怖がる動物さんの場合はボタンと触り心地が近いプラスチックの蓋を使うのが良いでしょう。既にボタンをお持ちで、特に動物さんがボタンを怖がっていない場合は最初からボタンを使うのも良いでしょう。
⑤のステップでは③のステップで使うものとは材質や見た目、触り心地の違うもの(ぬいぐるみなど)を用意しておきましょう。
② マーカーワードを教える
動物さんが望ましい行動したときに掛けるマーカーワードを決めます。
「Yes」や「いい子」など、お好みの言葉にしてください。
マーカーワードを言ったあと、すぐにおやつをあげるのを何度か繰り返します。
何度も繰り返すうちに、動物さんはマーカーワード=トリーツ(おやつ)がもらえると学習します。
以下、ここではマーカーワードを「Yes」にしたとして解説します。
③ 足やお鼻で的に触れるように教える
準備したおやつを握り、もう一方の手で的(プラスチックの蓋や意味のない単語を録音したボタン)をおやつにかぶさるように持ちます。動物さんの反応を待ち、足やお鼻で触ってくれたら「Yes(マーカーワード)」と言っておやつをあげます。
これを何度か繰り返して、的を触ることを覚えてもらいます。
このステップでボタンを使うときは、録音する単語は必ず意味のない単語にしてください!(何も録音しなくてもいいです。)
意味のある単語を録音してこのトレーニングをした場合、吹き込んだ単語の内容=おやつがもらえると覚えてしまう可能性があります。
(例えば「お外」の単語を録音してこのトレーニングをしてしまった場合、「お外」=おやつがもらえると覚えてしまう可能性があります。)
なかなか足やお鼻で的を触ってくれない場合
最初から足やお鼻で触るのが難しい動物さんもいると思います。
そういった場合はより細かくステップを踏んでいくとよいでしょう。
具体的には動物さんが的を見たら褒めておやつをあげます。それを何度か繰り返し、動物さんに的に対して良い印象を持ってもらいます。
的をすぐ見るようになったら、次は的を見ただけではおやつをあげず、近づいたら褒めておやつをあげるようにします。こちらも何度か繰り返します。
近づくこともしっかり理解出来たら、次は少しでも身体が的に触れたら褒めておやつをあげます。こちらも何度か繰り返し、理解出来たら、次は足やお鼻でボタンに触れたら褒めておやつをあげます。
このように、少しずつ的に触れられるようにトレーニングしていきましょう。
④ キュー(合図)をつける
足やお鼻で的に触る行動に対してキュー(合図)をつけます。
「押して」「タッチ」などお好みの言葉を使ってください。
動物さんが的に触る時に決めたキューを言って、おやつをあげます。これを繰り返して行動とキューを関連付けます。
⑤ 般化する
①で使った的とは別のものにも、同じようにキューで触れるようにしていきましょう。
触り心地や見た目も違うものを差し出し、キューを出して触ってもらいます。
触ってくれたらおやつをあげましょう。
別の的だと中々触らないようなら、③と同じようにおやつにかぶさるように持って差し出し、キューを出して触れるようにしましょう。
⑥ ボタンで実践!
ここでようやく意味のある単語を録音したボタンを使います。
ここではボタンを押す≠おやつがもらえるではないことを理解してもらいたいので、「おやつ」以外の単語が良いでしょう。
キューを出して動物さんにボタンを押してもらい、ボタンから音声が出たら、おやつはあげず、その単語に録音された内容通りの行動をしてください。
例.録音された単語「あそぶ」→ひっぱりっこなどをして遊ぶ
.録音された単語「おさんぽ」→おさんぽの準備をしておさんぽに連れ出す
まとめ
いかがでしたか?
今回は言語ボタンの教え方(ボタンを使う前に)についてご紹介しました。
お手元にまだボタンがない方や、興味はあるけれどまだ検討中の方もぜひチャレンジしてみてください!
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